オボアルブミン

オボアルブミン(卵白の抗原物質)で経口感作された実験動物に対して、プロバイオティクスを経口投与したと きの効果がいくつかの実験で調べられている。
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これらの実験では、プロバイオティクスの経口投与で、血清中で は抗原特異的な IgE と IgG1 の産生が抑制され、糞便中では抗原特異的な IgA の分泌が抑制された。さらに、 脾臓での IL-4 産生が抑制され、INF-γ と IL-10 の産生が増強され、皮膚や粘膜に見られたアレルギー性炎症の 改善が観察された。
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生きたビフィズス菌の使用は、破壊された菌体や熱処理された死菌よりもアレルギー症状を抑制する効果が高 い。
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プロバイオティクスの抗アレルギー効果は、炎症反応抑制の局所的効果から全身的効果にかけて、また炎 症反応の最初の部分から引き続く増悪部分にかけて広範囲に出現すると思われる。
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IL-4 の抑制は Th1 細胞の 強化につながり、IL-10 の分泌増強は、レギュラーT細胞による経口的耐性獲得に貢献しているように思われる。 .
さらに、ビフィズス菌による特異的な IgE 抑制効果はレギュラーT細胞の IFN-γ 産生によって中継されている事 を示唆するデータがある。
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動物実感系の結果にはまだ結論はないが、ほとんどの報告はプロバイオティクスの使用がアレルギー症状を 緩和することを主張している。今までの報告を総括すれば、ヒトの治験においても動物実験においても、局所 的・全身的の両方において、プロバイオティクスの経口摂取はアレルギー反応を緩和する方向に作用することが 強調され、ヒトにおいてアレルギー発病の予防にプロバイオティクスが利用されることの正当性を証明している。