乳酸桿菌ペントサス株の経口投与では、IL-12 産生の活性化により IFN-γ 分泌細胞が誘導される等の知見が
ある。
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その一方で、細胞分析系(in vitro)の研究については、先に結論を書いてしまうと、これらの系でのプロバイ
オティクス善玉菌と樹状細胞間の相互作用は、菌株の種類と TLK 細胞、樹状細胞の系統の違いによりマチマ チである。
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この相互作用が極めて重要で決定的な役割を演じているとしても、他種類の菌株が、無数ともいえる
複雑な経路を通して免疫系に影響を及ぼしていることが知られており、細胞マーカー分析による in itro の実験 結果が 実際の生体内での in vivo の観察結果と矛盾することも少なくない。
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プロバイオティクスの菌株種類、投
与量、投与のタイミングと投与経路などによる免疫調節作用の差を理解するためには、より精巧で進歩的な in vitro の実験モデルが開発されることが待たれる。
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動物実験においては、さまざまな実験モデルがプロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の抑制メカニズム解
明に用いられてきた。
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動物実験系は細胞分析系 (in vitro)の研究よりも有用性が高いと思われる。
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動物実験系で もプロバイオティクスの投与は Th1 細胞の Th2
細胞に対する優位性を強化し、レギュラーT細胞の働きを高める 結果が得られている。
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