乳児期に病原性のない、いわゆる善玉腸内細菌叢と接触した場合には先の図で示したような、腸管上皮パイ
エル板での腸管免疫調節システムの正常化を通じて、レギュラーT細胞の活性強化と Th1/Th2 細胞比率の正 常化を獲得して、アトピー性皮膚炎の発病が阻止・抑制される。
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プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防(1)でも述べたように、
ビフィズス菌、アシドフィルス菌 等のプロバイオティクスのアレルギー疾患予防効果は、これらの菌の生きた状態での凍結乾燥製剤を、1種類の 菌よりも多種類の菌を混合した製剤として、乳幼児期早期に、両親にアレルギー素因があり、母親が周産期から 授乳期を通じて内服した場合に最も効果的であるとの暫定的な結論が導かれると思われるので、1両親にアレ
ルギー体質がある場合、2両親あるいは兄・姉のいずれか一人がアトピー性皮膚炎を罹患していた場合、3母 親が妊娠中に何らかのアレルギー症状を示していた場合、はアトピー性皮膚炎発病の危険性が高いので、母 親は妊娠後期の35週目頃から、生まれた乳児には生後2ヶ月目頃から、Probiotics を投与することでアトピー性
皮膚炎の発病が予防できると期待されている。