図の中に書き込んだように、Probiotics は、1腸管上皮細胞に接触して細胞内シグナル伝達に影響を与えて、
TGF-β,IL-8,PGE2 の分泌を促進する。
.
2さらに腸管上皮の免疫調節機能中心であるパイエル板のM細胞にそ
の生産物質と共に取り込まれ、免疫担当細胞に提示される。
.
3樹上細胞が提示された情報を受け取り、未分
化・未成熟のT細胞をレギュラT細胞(Th3,Tr1)へと分化・成熟させる。
.
4同じくマクロファージがM細胞から情報 を受け取り、IFN-γ,IL-4,IL-5 を調節して Th
細胞の機能分化に影響をあたえる。
.
5 IL-10,TGF- β,IFN-γ のシグ
ナル誘導により、T細胞の分化・成熟が正常に発現してアレルギー炎症の発病を抑制すると共に、食物への経 口的脱感作を獲得する。
.
腸管のリンパ系組織には、免疫反応の入り口としてはパイエル板と個々のリンパ濾胞が、免疫応答の出口とし
ては粘膜固有層が挙げられる。
.
これらの免疫組織にはB細胞、T細胞、樹状細胞、マクロファージが含まれてい る。
.
樹状細胞とレギュラーT細胞は、粘膜組織のみならず全身性の免疫反応に置いても、脱感作・体制確立に
ついての決定的な役割を担っていると考えられている。
.
腸管上皮細胞、リンパ系細胞、樹状細胞はバクテリアの
菌体やその一部分であるペプチドグリカン、リポ蛋白、リポ多糖類などを、TLR(toll-like receptor)を含むパターン レセプターシステムを駆使して常時監視・認識すると共に、それらと相互に影響を及ぼし合い、先天的および後 天的な免疫応答を調節している。