炎症系サイトカインの調査によれば乳酸桿菌 LrGG は炎症性の免疫を増強するデータがある。
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LrGG は圧倒的多数で有用との報告が多い が、LrGG
による細菌性心内膜炎と肝膿瘍の報告があり、急性膵炎の乳児での死亡率が上昇したとの稀な報告 も見られるので、LrGG の使用時には留意が必要である。
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近年のプロバイオティクスのアレルギー予防効果についての知見は確固たる証拠性には欠けるものの、ほぼ
確実と言えよう。
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実験間で結果が相反しているのは、 実験の設定の違い、対象者と環境の違い、プロバイオティ
クスの種類と投与量の違い、などが異なる結果を生みだしているのだと推測される。
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ヒトの臨床実験か らプロバ
イオティクスの実用的なアレルギー抑制効果は知られていても、その免疫系を正常化する作用機序にはまだ不 明な点が残されている。
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プロバイオティクスの第一の作用点は腸管のリンパ節との接触にあるのかも知れない。
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しかしながらそれ以外 の経路も考えうる。例えば、プロバイオティクスは
腸管膜細胞層に付着して細胞層を破壊する有害な菌を少なく し、アレルギー反応が喚起されたり腸管上皮細胞層をアレルギー原因物質が透過するのを防ぐのかも 知れない。