調査2 乳酸桿菌投与群とプラセボ群

調査2
乳酸桿菌投与群とプラセボ群には背景の差はなかった。
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159組の母子中で全観察期間を完了したのは投与 群64組、プラセボ群68組の合計132組であっ た。
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この132人の乳児中、46人(35%)が2才の時点でアトピー 性皮膚炎と診断された。
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両群間で、総 IgE 値、RAST スコアー、プリックテストでは 一貫した有意差はみられな かった。
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乳酸桿菌投与の効果は、2才時のアトピー性皮膚炎発病率が投与群で64名中15名(23%)であるのに対し、 プラセボ群では68名中31名(46%)と危険率 p=0.008 で有意に、乳酸桿菌がアトピー発病を抑制することが確 認された。
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この実験モデルは、小生が 1996 年から 1998 年にかけて行った、静岡県焼津市での臨床実験と同じ発想から 生まれたもので、
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小生は 1998 年に実験結果を同じ Lancet に投稿しましたが、二重盲験プラセボ対照試験で無 いという理由で受理されませんでした。
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改めて今この論文を 読み返してみると、地球の裏側のフィンランドに私と 全く同じ時期に同じ事を考えていた小児科医がいたと言うことに学問の悠遠さと不思議さを感じます。