うつ病と気分変調症
気分変調症は、慢性的で軽度な抑うつ状態、生活全般にわたって興味の消失や何事も楽しめないという気分とともに、以下のような症状が見られます。
食欲の不振または過食
不眠または過眠
疲労感の持続(倦怠感)
自分は価値がない、自信が持てない(自尊心の低下)
自己嫌悪感や罪悪感を伴う
集中力の低下
決断を下すのが困難
絶望感を覚える
これらの症状のうち、少なくとも2つの症状を常に呈し、それがほぼ毎日続き、途中で普通の気分の期間があっても、2年以上症状が続きます。気分変調症の特徴として、気分の落ち込みや、気力や集中力の低下など、うつ病特有の抑うつ気分はみられるものの、楽しいことがあると一時的に気分が明るくなる「気分反応性」が見られることから、定型うつ病とは異なっている点です。
いま、うつ病が急増していて治療を受けている人が多い中で、「医者からもらっている薬を長年飲んでいるが、なかなか良くならない」という患者の中には、気分変調症に罹っている人も決して少なくありません。
日常的な憂うつ感、くよくよした気分を病む、生活上に喜びを感じない、不適切な思い込みがみられるなど、これらの症状が他の精神疾患では説明出来ない場合、気分変調症と考えるのが妥当と思われます。