実験3 今回の実験では胎児期に母親

今回の実験では胎児期に母親が乳酸桿菌(LGG)投与を受けた場合に、その子どもでは実験的に引き起こした喘息症状が緩和され、この免疫的な影響は、少なくとも一部は胎盤を通過して、おそらくは炎症をコントロール(誘発)する細胞のシグナルによって引き起こされていると考えられます。
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さて、また難解な動物実験データが提示されましたが、この実験のポイントは、母マウスに投与した乳酸桿菌は子マウスには伝搬していないにも関わらず、子マウスの実験的な喘息誘発に阻止的に働いたという点です。
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この実験結果は小生が提示している《周産期環境衛生仮説》の骨子である《母親から子どもへの腸内細菌伝搬が阻害されたことが子どものアレルギー増加原因》という仮説に対抗する新しい学説を提案しているからです。
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乳酸菌不足はただ単に新生児期の腸内環境として子どもが自分で免疫を成熟させることに悪影響を与えるだけではなく、母親の胎内にいるときから既に胎盤を通じて胎児の免疫調節に関与しているという学説が生まれることになります。